最終更新日:2010.11.26
Asphyxia Neonatorum
執筆者: 板橋 家頭夫
概要
1.概要
1.1 概念
娩出された新生児は臍帯結さつ後速やかに啼泣し、第一呼吸を開始する。第一呼吸に引き続くその後の呼吸の確立に伴って循環動態も胎児期とは大きく変化する。その結果、動脈血の酸素分圧が増加し出生直後の適応が進んでいく。新生児仮死とは、胎外生活への移行に必要な出生直後の呼吸循環動態が障害された状態であり、高度な場合には低酸素血症、高炭酸ガス血症、さらには代謝性アシドーシスへと進展し、中枢神経系のみならず全身臓器に影響が波及する。
1.2 アプガースコア
出生直後の呼吸循環動態の適応評価は、アプガースコアApgar scoreが用いられ、出生後1分と5分で評価する(表1)。1分後のアプガースコアが3点以下は重症新生児仮死、4~7点は軽症~中等症の新生児仮死と判定されることが多い。出生5分後のアプガースコアは新生児仮死からの回復状態を評価するうえで有用な目安となる。5分以上低いアプガースコアが持続する場合には、死亡率や神経学的後遺症のリスクが高くなる。全分娩の約10%は新生児仮死を伴い何らかの蘇生が必要とされる。妊娠中あるいは分娩期間中に予測できることもあるが、リスクが低いと予想される経膣分娩や帝王切開においても、1分後のアプガースコアが3点以下となる例がそれぞれ約1%、2%程度出現することもあり、分娩に立ち会う医療従事者は適切な蘇生法を習得しておく必要がある。
表1 アプガースコア
病因
2. 病因
2.1 non-reassuring fetal status
新生児仮死の90%は胎児ジストレス(胎児仮死)に連続しておこると考えられており、胎児予備力の低下および胎児胎盤系循環不全をきたす様々な原因が関与する。母体高血圧や子宮破裂、前置胎盤や常位胎盤早期剥離、臍帯脱失、臍帯結節、胎児貧血など、胎児、臍帯、胎盤、母体の要因が単独にあるいは複合して関与する。胎児ジストレスは、臨床的に顕性胎児仮死と潜在胎児仮死に分けられ、前者はおもに分娩中に、後者はおもに妊娠中に起こる。明らかに分娩中に仮死が生じたとされる徴候には(表2)に示したようなものがある。潜在胎児仮死は通常の胎児心拍数監視法によって発見することは困難で、何らかの負荷あるいは検査によってはじめて明らかになることも多い。これまで胎児心拍数監視法の波 形によって胎児ジストレスの診断がなされることが多かったが、精度が必ずしも高くない(死亡に至る児から全く異常のない新生児として娩出されることもある)ことから、最近では胎児ジストレスとは呼ばず、従来の胎児ジストレスの波形をnon-reassuring pattern(胎児の安全が保証できない胎児心拍パターン)と呼ぶようになっている。
non-reassuring fetal status(胎児の安全が保証できない状態)の診断は、胎児心拍数監視法によるnon-reassuring pattern を含め、胎児超音波検査による臍帯血流のパターン、胎動や胎児呼吸様運動、筋緊張、羊水量を評価するbiophysical score(BPS)などを用いて総合的に評価され、より診断の精度を上げる努力がなされている。つまりnon-reassuring fetal statusとは妊娠中あるいは分娩中に胎児の状態を評価する臨床検査において「正常ではない所見」が存在し、胎児の健康に問題がある、あるいは将来問題が生じるかもしれないと判断された場合をさす。
2.2 その他
10%程度の新生児仮死は、non-reassuring fetal statusとは明らかな関連性を持たないとされている。つまり、胎盤から胎児に安定して血流が保証されている限り子宮内では問題がなくとも、自力で出生後の呼吸循環系の適応を計ることが困難な病態である。具体的には、高度の先天異常(先天性横隔膜ヘルニア、先天性筋疾患など)や超早期産(在胎28週未満)などが該当する。
表2 分娩中の仮死が示唆される所見
病態生理
3.病態生理
拒食症の身体イメージの写真
3.1 循環動態の変化
胎盤への血流が遮断されると、胎児では全身の循環血液量の分布が変化し、脳や心筋、副腎への血流が増加するが、その一方では腎臓や消化管、筋肉では減少する。また、脳血流量の恒常性の破綻によって脳血流が直接的に血圧に依存する状態をきたす。この状態が進行すればやがて心拍出量が減少し、脳血流も低下する(図1)。
3.2 低酸素性虚血性脳障害
3.2.1 神経細胞壊死
低酸素・虚血に伴う神経細胞壊死は、壊死やアポトーシスによってもたらされる。前者は高度な侵襲によって、後者は前者よりは少ない侵襲によってもおこる。壊死は神経細胞浮腫による細胞器官の膨化、細胞膜の脆弱化、細胞融解および炎症性細胞の浸潤がみられる受動的な反応である。一方、アポトーシスは能動的な反応である。いずれにしてもこの二つの過程を経て神経細胞壊死に至る。
3.2.2 侵襲後の反応
低酸素状態が持続することにより、脳血流および酸素供給の低下によって低酸素性虚血性脳症hypoxic-ischemic encephalopathy(HIE)が発症し、一次神経細胞壊死primary neuronal death、遅発性(二次)神経細胞壊死delayed (secondary) neural deathを経て神経細胞死に至る(図2)。初期の段階では、高いエネルギー需要の神経細胞へのエネルギー供給が困難となる(一次エネルギー不全primary energy failure)ことが発端となって一連の反応が進み神経細胞死に発展する。神経細胞の浮腫と細胞内へのカルシウムイオンとナトリウムイオンの流入が見られ、細胞外では興奮性アミノ酸(グルタミン酸など)が蓄積する。その他、炎症性メディエーターも関与する。低酸素-虚血によって数時間後には、インターロイキン-1-β(IL-1-β)や腫瘍壊死因子-α(TNF-α)の産生が誘導される。これらは一酸化窒素nitric oxide(NO)合成酵素を誘導し、それがフリーラジカル産生にもつながる(図3)。なお、炎症性サイトカインは傷害ばかりでなく、傷害防御の役割も併せ持っている。
仮死の程度がそれほど強くない場合でも、その後低酸素状態や高体温、循環障害にさらされると神経細胞の傷害が起こりやすくなる。よほど高度な侵襲でない限り、侵襲直後よりは数日を経た神経細胞死の割合が多い。むしろ一次神経細胞壊死は遅発性神経細胞壊死のトリガーとして関与する。蘇生によって酸素化が改善されると、脳内の酸素化や血液還流も一旦元に戻るが、6~100時間を経て再び神経細胞へのエネルギー供給が低下(二次エネルギー不全secondary energy failure)し、遅発性神経細胞壊死へと進んでいく。遅発性神経細胞壊死の進展には、神経細胞の興奮毒性やアポトーシス、活性化されたミクログリアの細胞傷害作用が関係すると考えられている。
3.3 仮死に伴う主要な脳病変(図4)
仮死による脳病変や病変の部位は、低酸素の程度や持続時間、その起こり方や回復状況、児の未熟性など様々な要因によって異なることが知られている。
3.3.1大脳皮質層状壊死大脳皮質層状壊死は、脳分化の進んだ成熟児にみられ、皮質が1~数層にわたって壊死となる。とくに脳溝底部に見られやすい。成因はこの部位の動脈/静脈性循環障害と錐体細胞の高代謝活性による脆弱性による。知能障害や運動障害を伴うことが多い。
3.3.2 大脳白質軟化
大脳白質軟化は、脳室周囲白質軟化periventricular leukomalacia(PVL)、びまん性白質軟化、皮質下白質軟化に分けられるが、軟化の好発部位は成熟に従って皮質下に移行する。PVL(図5)は後頭葉を中心に脳室周囲の白質に多発性脳軟化が生じた結果であり、この部位は早産児の主要な脳動脈の境界領域である。PVLでは痙性両麻痺を起こしやすい。
3.3.3 基底核・視床壊死
基底核・視床壊死は成熟脳で起こりやすい。アテトーゼ型脳性麻痺として症状が出現する。
3.3.4 脳室内出血、脳室上衣下出血
早産児では妊娠34週あたりまで脳室上衣下胚層が存在し、その部位の脆弱性と脳血流自動調節能の未熟性を基盤に、仮死に伴う脳血流の増加によって脳室上衣下出血、脳室内出血をきたしやすい。
3.3.5 脳梗塞
図1 仮死に伴う血流分布の変化と関連する諸問題
図2 仮死に引き続く神経細胞壊死
図3 低酸素性虚血性脳症における細胞傷害
図4 仮死による成熟児と早産児の脳病変
図5 脳室周囲白質軟化症
臨床症状
4.臨床症状
犬の予防に咳
4.1 HIEによる神経学的異常
Sanartは低酸素性虚血性脳症の重症度に応じて表3のように分類している。Stage Iでは、易刺激性が目立った所見として認められる。
4.2 中枢神経系以外の症状
図1に示したごとく、仮死に伴い全身の臓器・器官に影響が出現する。
4.2.1 呼吸循環系
4.2.1.1 胎便吸引症候群
子宮内での低酸素状態によって胎便が羊水中に排泄され、それが末梢気道に吸い込まれ呼吸障害を呈する場合を胎便吸引症候群meconium aspiration syndrome(MAS)という。二次性の肺炎や空気遮断症候群(気胸、縦隔気腫など)を伴うことも多い。また、重症例では新生児遷延性肺高血圧症(後述)を併発する場合もある。
4.2.1.2新生児遷延性肺高血圧症
胎児期あるいは出生後の低酸素血症に伴い肺動脈の平滑筋の肥厚や攣縮によって出生後も高い肺血管抵抗が持続し、その結果動脈管、卵円孔を通じた右-左シャントや、肺内シャントによって100%の酸素投与下でも酸素化が十分に得られない状態が生じる。このような状態は、新生児遷延性肺高血圧症persistent pulmonary hypertension of the newborn(PPHN)と呼ばれる。
4.2.1.3 一過性心筋虚血
仮死に伴い一過性心筋虚血transient myocardial ischemia(TMI)が生じると、房室弁を支持する乳頭筋の虚血によって一過性に僧房弁や三尖弁閉鎖不全が生じ、高度であれば心拍出量が低下することがある。収縮期雑音が聴取される。
4.2.1.4 ショック
心筋虚血に伴い、高度な心機能障害が発生するとショック状態を呈する。また、重症仮死に伴う血管透過性の亢進が循環血漿量の低下にもつながり、血圧の低下をまねく。
4.2.2 乏尿、急性腎不全
仮死は乏尿や急性腎不全を併発することがある。これらは心機能の低下や血流の再分布による腎血流の低下による腎血流量の低下や急性尿細管壊死などによって発症する。
4.2.3 壊死性腸炎
仮死やショックによる消化管の虚血を基盤に、腸内細菌叢の変化やバクテリアルトランスロケーションによって消化管の壊死に至ることがある。
検査成績
5.検査成績
5.1.血液生化学検査
新生児仮死に特徴的な検査所見があるわけではなく、全身臓器への波及の仕方や程度によって検査値の異常が出現する。一般に、血液生化学検査では、CK(クレアチンフォスフォカイネース)やAST、ALT、LDHが上昇することが多い。また、仮死の程度が高度なほど、血液ガス上pHおよびBEが低下する。
5.2.画像検査
5.2.1.頭部超音波検査
頭部超音波検査は、NICUにおいてベッドサイドで行えるため汎用されている。大泉門にプローブをあてて脳内の異常の有無を確認できるが、硬膜外出血や硬膜下出血、くも膜下出血などについては検出が困難なこともしばしばである。脳室周辺領域の変化については容易に描出できる。
5.2.2.頭部CT、MRI検査
ベッドサイドで実施することが困難なため、新生児の全身状態によっては出生後速やかに行うことができない。最近、HIEの診断に拡散強調画像(diffusion-weighted image: DWI)による超急性期のMRI検査が行われるようになってきており、脳虚血による傷害部位では水分子の拡散能が低下しているために、高信号に描出される。
5.3.生理検査
5.3.1.超音波による血流計測
ドップラー法による脳血流評価は新生児仮死をはじめとして様々状況で利用されている。新生児仮死では、同時に血管抵抗の指標であるレジスタンスインデックス(RI)がしばしば測定される。RI=(収縮期血流速度-拡張期血流速度)/収縮期血流速度で表される。神経学的予後が不良な児では、RIが0.5~0.6まで低下するという報告もある。
5.3.2.脳波検査
新生児の脳波検査は、脳の成熟度評価や脳障害の有無やその程度の評価、痙攣の評価に用いられている。
診断・鑑別診断
6.診断
新生児仮死の診断は一般的にアプガースコアに基づいて行われる(前述)が、客観性に乏しい側面もあるため、臍帯血や出生直後の血液ガス分析も参考にされる。
治療
7.治療
7.1.蘇生
日本周産期・新生児医学会では教育委員会が中心となり「Consensus 2005に基づいて標準化された新生児心肺蘇生法」の普及・啓発活動が行われている。図6-(1),図6(2)に基本的なアルゴリズムを示した。
貧血ホルモン
7.2.HIEに対する一般的な管理
HIEのリスクのある新生児に対しては表5に示したような管理方針をとる。
7.2.1.呼吸管理
蘇生によっても呼吸が確立しない場合には、機械的人工換気を行う。低酸素血症の改善を主眼に人工換気を行うが、適切な動脈血炭酸ガス分圧の維持も重要で、極端な低炭酸ガス血症や高炭酸ガスによる脳血流の大きな変動を避ける。
7.2.2.水・電解質管理
新生児仮死によって心機能・腎機能が低下しているさいには、過剰な水分投与が悪化を招く。一方で、不必要な水分制限も循環動態を悪化させる。したがって、体重や血圧、血液生化学検査(血清電解質、浸透圧など)、尿量をきめ細かくモニタリングし、さらに超音波検査による心機能を評価しながら輸液量を調節する。
7.2.3.循環管理
末梢循環の改善を目的に血圧が低下しているならば速やかに改善させる。PPHNの状態であれば、一酸化窒素(NO)吸入療法が行われる。
7.2.4.痙攣の治療
動物実験では反復する痙攣は、てんかんのリスクとともに脳の成長や発達を抑制することが示されている。しかしながら、HIEを合併する新生児に対しての痙攣治療の効果についてはいまだ議論のあるところである。HIEに対する予防的な高用量フェノバルビタール投与の効果については相反する結果となっているため、更なる検討が必要である。
7.3.脳保護
7.3.1.薬物療法
HIEの進展機序に基づいて脳保護を目的として、フリーラジカルスカベンジャーやマニトール、NO合成阻害剤、エリスロポエチン、硫酸マグネシウム、ステロイドなど様々な薬物療法が試みられているが、現時点では十分なエビデンスが確立していない。
7.3.2.低体温療法
低体温療法はグルタミン酸の遊離や脳代謝活動の抑制による脳保護を目的として行われる治療で、成人の脳障害に低体温療法が有効であったことから、新生児においても大きな期待が寄せられている。全身低体温法および頭部だけを冷却する選択的低体温法があるが、後者のほうは副反応が少ないとされている。メタアナリーシスでは、どちらの冷却方法も従来に比べて死亡や神経学的後障害を軽減させることが示されている。しかしながら、治療対象基準や低体温療法のタイミング、どの程度までの低体温とするか、復温のタイミングや速度など課題も山積している。
図6 蘇生の手順(1)
図6 蘇生の手順(2)
表5 HIEに対する一般的な管理
予後
8.予後
1996~1997年の3年間でわが国における周産期センター72施設の先天異常を除く正期産児68327例を対象とした報告では、新生児仮死(1分後のアプガースコア4点以下、5分後6点以下)の発生頻度は152例(0.22%)である。これらの産科的なリスク要因の上位は、子宮内発育不全19.7%、微弱陣痛17.8%、常位胎盤早期剥離13.8%であった。152例中新生児死亡は6例(3.9%)で、神経学的予後不良児は21例(13.8%)であった。HIEと診断された児は26例(17.1%)で、全対象の0.04%である。HIE26例中死亡や神経学低後遺症など予後不良例の発生は14例(53.8%)で、一方HIEのなかった126例では予後不良例の発生が7例(5.6%)であることより、HIE合併例では予後のリスクは非合併例の約10倍である。
原因のいかんによらず脳性まひの発生頻度は出生1000名に対し2名の割合で、残念ながら周産期医療の進歩に関わらず大きな改善を見ていない。欧米におけるpopulation based studyでは、脳性まひのうち新生児仮死に関連したものは12~24%とされている。
新生児仮死をめぐる医療訴訟は少なからずある。新生児仮死の発生を予知することが困難なこともあるので、一次施設において仮死児に対して速やかに適切な対応ができるようにするためには、日ごろより蘇生器具を点検しておくことや蘇生法の手技に熟達するようトレーニングをつんでおくことが重要である。また、出生後沐浴などは行わず、綿密な監視下に置くとともに、リアルタイムに家族への説明を行うこと、処置の内容や家族への説明を正確に診療録に記載すること、二次~三次施設との連携を図ることも忘れてはならない。
最近の動向
9.最新の動向
9.1. 産科医療補償制度
本制度は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児に対する補償の機能と脳性麻痺の原因分析・再発防止の機能とを併せ持つ制度として創設された。その目的は、分娩に関連して発症した脳性麻痺児およびその家族の経済的負担を速やかに補償することや、脳性麻痺発症の原因分析を行い、将来の脳性麻痺の予防に資する情報を提供すること、これらにより、紛争の防止・早期解決および産科医療の質の向上を図ることにある。2009年よりこの制度が開始される。(
9.2.新生児蘇生法普及事業
日本周産期・新生児医学会では、新生児蘇生法普及事業小委員会を組織し、出生時に順調な胎外呼吸循環に移行できない新生児に対する心肺蘇生法を修得するための「新生児蘇生法講習会」を運営している。本講習会は,国際蘇生連絡委員会(ILCOR)のConsensus 2005を受けて日本救急医療財団・日本版救急蘇生ガイドライン策定小委員会が作成した、日本版救急蘇生ガイドラインに基づいている。標準的な新生児蘇生法の理論と技術に習熟することにより、児の救命と重篤な障害の回避が期待されており、徐々に普及活動が拡大しつつある。(
9.3.早産児の脳性まひ予防に対する取り組み
在胎24週~31週の早産に対して母体に硫酸マグネシウムを投与することによって、生存例の脳性まひ(中等度~重症)は対照の3.5%に比べ1.9%に低下させることができたという。しかしながら、死産+修正1歳までの死亡率+脳性まひ(中等度~重症)発生頻度には対照と有意な差はなかった。 わが国では早産児の脳室周囲白質軟化症PVL発生予防に対するエリスロポエチンの効果に関する国内臨床試験が準備されている。これによってPVL発生を減少させることができれば、脳性まひの発生率低下に大きく貢献できることが期待される。
参考文献
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10) 田村正徳 監修:日本版救急蘇生ガイドラインに基づく新生児心肺蘇生法テキスト,メジカルビュー社.
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(MyMedより)推薦図書
1) The American Academy of Pediatrics and American Heart Association 著、田村正徳 翻訳:AAP/AHA新生児蘇生テキストブック,医学書院 2006
2) 仁志田博司 著:新生児学入門 第3版,医学書院 2003
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